dancept2の日記

あやしうこそものぐるほしけれ

モンズーンの系統三頭の話題/第183回ウニオンレネン

コロネーションカップヴィントシュトース、小頭数とは言え最後尾からのレースで展開も向かなかったように見えましたが、ギリギリ差し切ったクラックスマンに突き放されてしまいましたね。レース使った方がいいような感じもあるので次走に期待といたしましょう(サンクルー大賞典あたり?)。

昨年オイロパ賞も勝ったことだし個人的には早いとこ引退して無事種牡馬になってもらいたいという気もしないでもないんですが。

で、今週はウニオンレネンということで RaceBets の出走表見に行ってみたところ、バリードイル Ballydoyle (GER) とエッコ Ecco (GB) というモンズーン Monsun (GER) の仔の新種牡馬の産駒がいたので取り上げてみる(苦笑)*1 。そいえばこちらのノヴェリスト今のところぱっとしないようですなぁ。

15:15 ケルン - 2018/06/17 - 183回オッペンハイム・ウニオンレネン - 出走表

クールモアの調教場を名乗るバリードイル *2 は5月21日ミュンヘンの未勝利戦(2200 m)を勝ったばかりで2戦1勝、中団から抜け出し4馬身差の楽勝(leicht)だった。

14:40 ミュンヘン - 2018/05/21 - アリアンツヴィットマン・トロフィー - 出走表

レースっぷりが買われてかそこそこの人気(現時点の RaceBets アンティポスト8倍、13頭中5番人気)、というかなんともお寒いメンバーになってる模様。

父マスターストローク Masterstroke (USA) はラムタラ Lammtarra (USA) の代表産駒 Melikah (IRE)(愛オークス2着、英オークス3着)との仔で、その母はあの Urban Sea (USA) 。自身は5代アウトクロス。ダーレーの生産/ゴドルフィンの服飾で走り、ドーヴィル大賞典(G2)1着、凱旋門賞3着(2着オルフェ)など。殆どフォローしてなかった時期で今回目にするまで知らんかった。ダーレーフランスのロジ牧場(Haras Du Logis)繋養。

バリードイルの母系は米血で近親にこれといった馬は見当たらないようだが、祖母 Silver Rhapsody (USA) はプリンセスロイヤルステークス(G3)に勝ちヨークシャーオークス3着など、四代母 Magaro (USA) の産駒にタヤスツヨシ、五代母 Magic (USA) の半兄に Dr. Fager (USA) 。バリードイルは母の父がキングズべスト King's Best (USA) で名牝 Allegretta (GB) の 3×4 クロス、というかキングズベストUrban Sea (USA) 3/4 同血クロスの 2×3 という。なかなかエグい。


エッコの方もクレーフェルトの未勝利戦(2200 m)を9馬身半で圧勝(überlegen)。こちらは楽に逃げ切りで3戦1勝としたが、アンティポストは13倍。ミュンヘンの上記未勝利戦でバリードイルの2着となっていた未勝利馬 Magic Pivotal (FR) と並ぶ7番人気という評価。

クレーフェルト - 2018/05/13 - ケーニヒスホフ醸造所賞 - 出走表

父マキシオス Maxios (GB) はニアルコス・ファミリーの生産で、イスパーン賞ムーラン・ド・ロンシャン賞などの優勝馬。半兄にバゴ Bago (FR) がおり、Northern Dancer (CAN) の母 Natalma (USA) の直牝系。母 Moonlight's Box (USA) がその Natalma (USA) 3×4 などかなりの近交馬だが、モンズーンのアウトブリードでそれを緩和する格好。フェアホフ牧場の繋養。

エッコは母の父 Medicean (GB)(エクリプスステークスロッキンジステークスなど)で、その父 Machiavellian (USA) と仏チャンピオン2歳牝馬でバゴの祖母 Coup de Genie (USA) の 3×3 同血クロスに、Nureyev (USA) ≒ Sadler's Wells (USA) の 3/4 同血クロス 3×4 と再度凝縮。こちらもかなりエグい。モンズーンが 1/4 異系という感じになった。昨年の独ダービーヴィントシュトースの2着した Enjoy Vijay (GER)(父 Nathaniel (IRE) )は半兄で、母系は四代母 Sefka (FR) から一度ドイツを出てSラインの命名は途切れているが Sefka (FR) は Sayonara (GER) の半妹。フェアホフ牧場産。


ヴィントシュトースの半弟でメールミュルヘンスレネン(G2)4着、ドクターブッシュ記念(G3)2着、これまで4戦1勝のヴェルトシュター Weltstar (GER)(父 Soldier Hollow (GB) )が1番人気。

当地の状況はほとんどフォローしてなかったが、その他の人気馬も独ダービー直行ということらしいロイヤルユームザイン Royal Youmzain (FR)(前出 Sayonara (GER) の牝系)に負けてる馬ばかり。キャリア不足の上に骨のあるメンバーとの対戦も経験していないが、まだ底を見せていないということで二頭も多少は期待できるかも??。


*1:下記参照。

*2:本家スミス氏、マグナー夫人&テイバー氏のトリオの持ち馬にマルセルブサック賞を勝った Galileo (IRE) 産駒の同名馬がいた。