清掃でごまかしました CPU ファン。それから約三か月、やはりまたエラーが発生し始め、起動不可に陥りました。
ケースを開けてかくにんしますと、電源を入れても CPU ファンが回転しない。手で回してみると、いかにも重く、すぐに止まってしまいます。
ためしに、電源 ON と同時にファンを手で回してやると回転し始め、PC も無事起動。
最初はときどき発生するかんじだったのが、だんだん頻度が増えてまいりました。幸い(?)タワー型でケース右側面の一枚板を外すだけなのでかんたんにアクセスできる。もう、板は固定せず、(開けっ放しにはしませんでしたが)ケースに立てかけてしまいました(苦笑)。
しかし電源などにも負担掛けてたりするとヤバそうです。古い機械なのでどうしようかとも考えましたが、どんだけ腰が重いんでしょう、ようやくファンを交換してみることにした。
ところが、これがけっこう地雷があり、ちゃっちゃっと終わるかとおもいきや——とくにヒートシンクからのファンの取り外し/取り付けに苦戦した。
1. CPU ファン
4 pin 。マザーボードに接続、PWM 制御方式ということだろう。以前交換したケースファンは 3 pin 電圧制御で、そのとき入手したファンをメーカーサイトでスペックをみてみると、4 pin コネクタも付いている(すでに当方記憶になかったが)。
なので、上掲記事では( PWM 制御方式のものが必要であるにも関わらず安直に)こんかいもおなじのでいっか、とおもってしまっていたのだが、取り付けられている現物を見てみると遊んでる 4 pin コネクタがやけにデカい。
ヲヲっと再度メーカーサイトをよくみてみると、というかよくみなくても「ペリフェラル 4 pin 」コネクタなのであった。あぶなっかしいなぁ下記でエラそうに書いてましたがペリフェラルはアウト・オブ・念頭だった。別のものを入手。
2. CPU グリス
グリスの熱伝導率はヒートシンク本体に比べればケタ桁違いに低く、きょくたんに低いものでなければ放熱効果に「大して」違いはないようだ。非電導性のものを選び、あとは塗りやすさと耐久性を考慮する、とかそういうことのようで。
べつに中華メーカーのでも、というかんじだったが、そんなに高くもないのがあるので Arctic のものを購入。製造じたいは中華製ということなのであろうが。
www.arctic.de
3. オフセットドライバー
ヒートシンクからファン(リブなし)を外すための、薄型オフセットドライバーも入手(上掲 CPU ファンエラー記事参照)、プラスネジの2番。トラスコ製の方がやや安いようだったが、ヘッド高さが 12 mm なので 10 mm のアネックスにした。下記が「おやすい」か。
search.rakuten.co.jp
前回、実店舗で借りようかしらん、などと書いてはいたものの、そのためにわざわざお店へファンと CPU グリス買いに行くのに掛かる交通費と変わらんくらいの値段なのであった。ネットショップで揃える場合、送料無料でないと相殺(?)まではいかないかもですが、いっぱんに値段そのものは実店舗より安いはずで。
ただし、今回入手した組み合わせに関しては後述 6項 参照…。
4. 冷却ユニット取り外し
冷却ユニットは六角穴付きのマイナスネジ四本でマザーボードに固定されていた。スプリング入りで、ばね力で冷却ユニットを押し付けている。よって、ばね力は働いているが、とくに重いということもなくマイナスドライバーで取り外す。
5. グリスの拭き取り
グリスはさすがにカラカラ。(当方、石油ファンヒーターが手元にあるので)、灯油を垂らし、おなじく灯油をしみ込ませた脱脂綿をしばらく被せて放置し、拭き取った。
拭き取る際に解けたグリスが周りに広がってしまったりで気持ち悪い。グリスは拭き取りの際にも非電導性であることが肝要と合点。拭き取り用の溶剤は、あまりどばどば垂らさないほうが吉ですな。
こんかいのグリスは灯油で溶けたが、あとでホコリを呼びそうではある。どばどば垂らしてソケットまわりなどに付けたりしないよう注意したほうが良いかも。
ヒートシンク側も同様に拭き取る。
6. ファン取り外し①
取り外した冷却ユニットの、ヒートシンクとファンを分解する。
意気揚々と新兵器・オフセットドライバーをセットしたのだが…、ファンの取り付け穴が中心側に近すぎ、ドライバーのビットをネジにまっすぐ当てられない。下記 anextool.co.jp さんより、ヘッド高さ 10(mm)は少しでも低いものをということで正解だったが、先端部の幅 5.5 ~ 6(mm)でも広すぎ。とほほ。
幸いネジはそれほどキツくなく、無理やり回して外すことが出来た。ネジのあたまが、やはりやや潰れてしまったが。それとドライバーのビットは1番のほうがよかったかも?。
なんか取り付けもタイヘンそうだなぁと、イヤな予感を抱きつつ、深くかんがえようとはせず現実逃避して先に進む(笑)。
7. ファン取り外し②(止め具)
当方の PC 、「サイドフロー型」(上掲 CPU ファンエラー記事参照)なので、下側の取り付けネジ二か所が見えていなかった。これが、防振のためなのだろう、ネジではなくゴム製の止め具になっていた。矢印形あるいは楔形というか円錐形になっており、差し込める(のだろう)が(容易には)外せないという *1 。
またもや意表を突かれ、ここでも茫然(苦笑)。
詳細は省くが、ファンはヒートシンクのブラケット金具を介して取り付けられていた。ブラケットのネジ止め側にはネジが切られており、ゴム止め具側はネジ穴ではなくU字形の切り欠きである。なんとか切り欠きから止め具をずらして、ブラケット/ヒートシンク側からは取り外すことが出来た。
ではファンから止め具をどう外して再利用するのか——これは諦めました。抜けそうにないし、樹脂モールド製とはいえファンの取り付け穴部分を壊して外すというのもタイヘンそうである。
もう、ネジ二か所止まってればヨクね?、となったが → こんかい購入したファンのケーブルを束ねるのに付いていた、被覆付きの針金で縛りつけてやるか?、となり → 同じくファンに付いていた、取り付け用タッピングネジ(木ねじ)で取り付ける、ということにした。
以前、CPU ファンを付けたままの状態で掃除機を使い吸ってみたりしていたが(上掲 CPU ファンエラー記事参照)、やはり空気の IN 側には相当ホコリがつまっていた。
OUT 側からお湯を流して洗浄。けっこうピカピカになった。てきとうに水分を掃ってドライヤーで乾かす。
9. ファン取り付け
ヒートシンクに新しいファンを取り付ける。
まずは最初からネジで止まっていた上側二か所である。上記「イヤな予感」は的中(笑)。外すには外せたが、入手したオフセットドライバーではとても取り付けられない。
しかも片側は、外す際に無理に回したせいか、ネジのあたまのみならず取り付けブラケット側のねじ山も痛めた模様。ねじが奥まで入って行かなくなっているのを確認した。
タップなんぞは手元には無く…、ブラケットのみにして通常のドライバーを用い、渾身のちからで——ブラケットが持ちづらく、ちからが入り難い——ネジを回してねじ切り。
その上でどう付けたものかと思案していたが、工具箱をあさっているとプラスのミニチュアドライバーが出て来た。軸の径はというと、ファンの取り付け穴を通るサイズである。
藁にもすがる思いで(笑)、(しかも痛めた)ネジのあたまにセット、回してみるとけっこうトルクをかけることが出来る。無事締めることができた。
んー、結果的にオフセットドライバーなしでも作業出来たっぽい。しかも余計なしごとを増やした(苦笑)。
ゴム止め具が付いていた側二か所も、タッピングネジを逆にブラケット側から通し、ファンをネジ切りして取り付けた。ふう、やれやれ。
10. ファンの取り付け向き
とかなんとかやっていて、かつ、ファンの裏表に気を取られ、ケーブルがマザーボードからいちばん遠くなる向きに取り付けてしまった。逆にまぁまぁイイ感じに届くようになったので、ここは結果オーライだった(また、入手したファンは延長ケーブルも付属)。
そういえば、あたらしく入手したファンは、取り付け用のネジ穴のまわりの取り付け面に防振用のゴムが貼ってある。シリコーン系かなにかのようにはみえる。耐熱タイプなんであろうか(そのまま付けたが)。
11. グリスの塗布
念のため、塗布する前に、取り付けがどんなかんじになるのか、冷却ユニットを CPU に置いてみてかくにんした。
グリスは、よくわからんですが広がりやすく空気も比較的入りにくい、メーカーもこれでやってる(ことが多い?)ということで、CPU 側に「三」の字に塗ってみた。ちょっと多かったかも。入手したのは注射器タイプで、とくに塗り難いということもなく。
12. 冷却ユニット取り付け
マザーボードの取り付け用長ナットに、冷却ユニットの取り付けネジが合うように載せ、対角に少しずつ締める。
狭いので作業し難い。どの程度締めておけばよいのか見当をつけていなかったが、てきとうなところで止める。
さいごにファンケーブルのコネクタをマザーボードに差し込んでかんせいである。位置的に、ケースファンのコネクタよりは差し易く(上掲ケースファン記事参照)助かった。
13. 動作かくにん
ケーブル類をつなぎ、電源入れるとエラー等なく回り出した。とくに目立つ異音等あった訳ではないが、グリス更新もあって(?)、回転数が下がって静かになったかんじである。
14. 冷却ユニットの交換(寸法の記載)について
オフセットドライバー買うくらいなら冷却ユニットまるごと交換した方が早いのでは?——グリスも付属してるみたいだし、とういうことで、ちょこっとしらべてはみた。
搭載 CPU のソケットは LGA1366 というタイプらしく、これに対応するユニットを選ぶということらしい。
しかしながら、当方のサイドフロー型の冷却ユニットは、92 mm のファンを装着した小型タイプで、選択肢はあまりないようだった。大型のものが入るスペースも当然ない。
で、92 mm ファン/制御方式合致、記載のサイズ的にも良さげ、かつ、お手頃価格なものをネットショップで発見、ポチろうかとおもったものの…。
メーカーサイトを見に行ってみると *2 、(ソケット側に位置合わせ用の専用ブラケットを取り付け、そこに固定するしくみの)クリップ部分(二か所)が寸法に含まれておらず、大きく張り出してるのでありました。
当方の PC ではケースやらなんやらに干渉するのは間違いなさそう。
本体寸法ということだろうが、全幅部分にはクリップ部「含む」寸法も併記いただけると助かりますわね。写真をよくみると、もしや…とピンとくるカンの良いかたもおられるのであろうが、当方はメーカーサイトの寸法図を見るまで気づかなかった(あぶね)。