今さらですがいいですね。何といってもビジュアルがいい(そこか)。
でも実際、PV もド派手にはじけてて好きなんですわ *1 。
なんでこんなに新鮮なのか。そりゃ「春の海」聴きゃ小生もなごむが、これまでお琴(箏)もそんないいとおもったことは無かった。沖縄の三線を別にしても和楽器を取り入れるなんて多くあったし、邦楽サイドからのアプローチだっていっぱいある。
津軽の怒涛の寄せってメタルに通じるんでしょうね。ギターと三味線が駆け上がってって尺八がふぃよ~と出てきたりするのも最高(笑)。何かで観たのだが、カットが切り替わると神永氏いきなり虚無僧の恰好になって吹いていた。すばらしい(笑)。
「起死回生」のマスタリング・エンジニアはテッド・ジェンセンというエライかた。当方としては三味線や尺八も少しボリューム上げてミックスしてほかったですねチト線が細く聴こえるような。和太鼓は迫力十分なんだけど。まぁでも些細なことですわ。そもそも PC のスピーカーで聴いてどうこう言えるのか(苦笑)*2 。
界隈の情報に疎いうえ不覚にもテレ東のリオ中継ではスルーしていた。IOC の公式なんちゃらに選ばれてるらしいですが、コメント欄盛り上がってたようにもう TOKYO 2020 オープニングでいいかも。川井憲次の「謡」もいいが *3 。
ストリングスに心が洗われます。4:00 過ぎからのソロ、「とおかみ~ えみ~た~め~」。ああカタルシス(笑)。遠神恵賜と唄ってるらしい。
180度違う音楽だが五輪つながりで(三宅純)。確認してませんがこのギターもアート・リンゼイですねたぶん。
ヴェンダースの映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』でフィーチャ―された曲のようだがこの投稿 V は無関係で、大部分 "Dance Americana, 1956" という映像集からとの由。これはでもぴったりで。そこはかとなく不安をかき立てる。
さてリオ閉会式の「君が代」ほんとに西田和枝社中の皆さんだったのかどうかは知らぬのだが、ブルガリアン・ヴォイスの CD は手元にあったはずなので久々に、と探したのだったが出てこない *4 。この ↓ ジャケットの日本盤だった( "Le Mystère Des Voix Bulgares (Volume 1)" 、Discogs より)。
なんでブルガリアン・ヴォイス買おうとしたのかは憶えてないのだが、当時『ミュージック・ガイドブックxx』(xxに年が入る分厚いムック本)なんかを読んでワールド系もすこし漁ったりしていた。入手した CD のライナーはとうよう氏で、そのムック本で氏が紹介していたかもしれない。曲も分からず店頭にあったブルガリアのコーラス団によるいくつかの中から、単にジャケットがかわいらしいので選んだのだ。確か。( YouTube も無かったしね)。
で、最初聴いたときから印象的だった曲のひとつが、「トラキアの平原から」("Prïtourïtze Planinata" / "Chant De La Plaine Thrace" / "Chant From The Thracian Plain")。この曲はコーラスではなくソロで唄われるのだが、サウダージ(ブルガリア語ではなんて言うのか)、ですなぁ。シンプルなバスの動き含むアレンジもいい。バグパイプ一発も強烈。今回初めて知ったのだが、この曲日立のテレビの CM に使われてたんですな。記憶なし。1988年(古)。まんま『ブレードランナー』というか *5 。(絶滅した)ブラウン管が空を飛ぶ。今でこそシュールさが増したか。
ジャケット違うがアルバムはこちら(同曲は 25:30 - ) *6 。
CD 入手まで10年までは経ってなかったとはおもうが、それにしてもなんとなく CM が耳に残っていたのか。というより CM に使われるくらいで、どこかで聴いたことがあるような気がする「なつかしさ」をおぼえる曲なんですね。
Stefka Sabotinova(ステフカ・サボティノワ?)名義でもアップされていた。キリル文字だと Стефка Съботинова となるらしい Wikipedia ブルガリア語版に記事があった。「トラキアの平原から」原題は „Притури се планината“ と綴る模様。仏語タイトルからの重訳だったのだろうが、「平原」とは関係なさそうだ *7 。
ステフカは1930年、ヨーロッパ最古の都市のひとつとされるスタラ・ザゴラ近郊の Rozov Kladenets(ロゾフ・クラデニェッツ? / Розов Кладенец)村の生まれ。五歳から歌い始め1947年にプロフディフで学生だったとき Zhecho Dolchinkov(ゼコ・ドルチンコフ? / Жечо Долчинков)に見いだされブルガリア国立ラジオに出演。1951年には300人が応募したフィリップ・クーテフ国立合唱団のコンクールで優勝し1965年まで在籍 *8 。1973年から1985年までブルガリア国立ラジオ・テレビの女声民謡アンサンブル *9 に参加しソロイストを務める。スイスの音楽学者/プロデューサーのマルセル・セリエ(Marcel Cellier)による録音がスイスで "Le Mystère des Voix Bulgares" としてリリースされたのが1975年、英 4AD レーベルがリイシューしたのが1986年。翌年リリースの Volume 2 が1989年グラミーを受賞。ソロアルバム二枚と Tinka Pesheva(ティンカ・ペシェワ? / Тинка Пешева)とのデュエットアルバムがある。2010年6月にはブルガリア政府から「最高の栄典」スタラ・プラニナ勲章一等級賞を授けられたが、その翌月死去した *10 。
„Притури се планината“ は1994年に新たなリミックス・バージョンがつくられヒットしていたらしい。当方はオリジナルの方が好きだ。
*1:そいや BABYMETAL「メギツネ」の PV も良かったな。ところどころカットインされる和室のシーンが、ぞわぞわ~っと来るくらい、貞子なみに怖かったりするともっとよかったんだけど。
*2:大昔使っていた IBM のデスクトップ PC から取り外した 30W のアンプ内蔵外付けスピーカーである。
*4:追記:リオでクリエイティブスーパーバイザーと音楽監督を務めた椎名林檎の「あの世の門」にも参加した、おなじブルガリアの Vanya Moneva Choir という聖歌隊らしい。
*5:ちょうど続編がやや(?)話題になってましたね残念ながら観に行ってませんが。
*6:追記:削除されたのでリンク先変更。
*7:
*8:フィリップ・クーテフ国立民謡舞踏アンサンブル(Националният ансамбъл за народни песни и танци „Филип Кутев“ / The National Ensemble for Folk Songs and Dances "Philip Kutev")は同年創設らしいので、設立オーデションを兼ねていたのかもしれない。なおブルガリアは1990年まで共産主義政権。
*9:1952年設立。こちらがのちの "Le Mystère des Voix Bulgares(The Mystery Of The Bulgarian Voices / ブルガリアン・ヴォイスの神秘)" 、通称ブルガリアン・ヴォイス。1997年に放送局からは独立したようである。
*10:以上 bTV の記事など Wikipedia 出典のリンク先などもつまんでいる。アンナ・トモワ=シントウやヴェッセリーナ・カサロヴァもスタラ・ザゴラ出身のようだ。こちらの „Сега“ 紙による長めのインタビュー(2006年)はリンク切れだったが移動先 URL を発見、翻訳を試み別エントリに投稿しようかともおもったのだが、ブルガリア語さっぱりで断念(ヘタレ)。彼女の訃報を報じたブルガリアの放送局 bTV の映像がアップされていた。カナ転写はステフカ・サボティノワでよさそうですね。