dancept2の日記

あやしうこそものぐるほしけれ

五輪で和楽器バンドからトラキアの平原まで~ステフカ・サボティノワのことなど

今さらですがいいですね。何といってもビジュアルがいい(そこか)。

でも実際、PV もド派手にはじけてて好きなんですわ *1

なんでこんなに新鮮なのか。そりゃ「春の海」聴きゃ小生もなごむが、これまでお琴(箏)もそんないいとおもったことは無かった。沖縄の三線を別にしても和楽器を取り入れるなんて多くあったし、邦楽サイドからのアプローチだっていっぱいある。

津軽の怒涛の寄せってメタルに通じるんでしょうね。ギターと三味線が駆け上がってって尺八がふぃよ~と出てきたりするのも最高(笑)。何かで観たのだが、神永氏いきなり虚無僧の恰好になって吹いていた。すばらしい(笑)。

「起死回生」のマスタリング・エンジニアはテッド・ジェンセンというエライかた。当方としては三線や尺八も少しボリューム上げてミックスしてほかったですねチト線が細く聴こえるような。和太鼓は迫力十分なんだけど。まぁでも些細なことですわ。そもそも PC のスピーカーで聴いてどうこう言えるのか(苦笑)。

界隈の情報に疎いうえ不覚にもテレ東のリオ中継ではスルーしていた。IOC の公式なんちゃらに選ばれてるらしいですが、コメント欄盛り上がってたようにもう TOKYO 2020 オープニングでいいかも。川井憲次の「謡」もいいが *2

ストリングスに心が洗われます。4:00 過ぎからのソロ、「とおかみ~ えみ~た~め~」。ああカタルシス(笑)。遠神恵賜と唄ってるらしい。

180度違う音楽だが五輪つながりで(三宅純)。確認してませんがこのギターもアート・リンゼイですねたぶん。

ヴェンダースの映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』でフィーチャ―された曲のようだがこの投稿 V は無関係で、大部分 "Dance Americana, 1956" という映像集からとの由。これはでもぴったりで。そこはかとなく不安をかき立てる。

さてリオ閉会式の「君が代」ほんとに西田和枝社中の皆さんだったのかどうかは知らぬのだが、ブルガリアン・ヴォイスの CD は手元にあったはずなので久々に、と探したのだったが出てこない。間違いなくこのジャケットの日本盤だった( "Le Mystère Des Voix Bulgares (Volume 1)" 、Discogs より)。

なんでブルガリアン・ヴォイス買おうとしたのかは覚えてないのだが、当時『ミュージック・ガイドブックxx』(xxに年が入る分厚いムック本)なんかを読んでワールド系もすこし漁ったりしていた。確か入手した CD のライナーはとうよう氏で、そのムック本で氏が紹介していたかもしれない。曲も分からず店頭にあったブルガリアのコーラス団によるいくつかの中から、単にジャケットがかわいらしいので選んだのだ。確か。( YouTube も無かったしね)。

で、最初聴いたときから印象的だった曲のひとつが、「トラキアの平原から」("Prïtourïtze Planinata" / "Chant De La Plaine Thrace" / "Chant From The Thracian Plain")。この曲はコーラスではなくソロで唄われるのだが、サウダージブルガリア語ではなんて言うのか)、ですなぁ。シンプルなバスの動き含むアレンジもいい。バグパイプ一発も強烈。今回初めて知ったのだが、この曲日立のテレビの CM に使われてたんですな。記憶なし。1988年(古)。まんま『ブレードランナー』というか *3 。ブラウン管が空を飛ぶ。

ジャケット違うがアルバムはこちら(同曲は 25:33 - )。

CD 入手するまで10年までは経ってなかったとはおもうが、それにしてもなんとなく CM が耳に残ってたのかなぁ。というより CM に使われるくらいで、どこかで聴いたことがあるような気がする「なつかしさ」をおぼえる曲なんですね。

Stefka Sabotinova(ステフカ・サボティノワ?)名義でもアップされていた。キリル文字だと Стефка Съботинова となるらしい Wikipedia ブルガリア語版に記事があった。「トラキアの平原から」原題は „Притури се планината“ と綴る模様。仏語タイトルからの重訳だったのだろうが、「平原」とは関係なさそうだ。

1930年ヨーロッパ最古の都市のひとつとされるスタラ・ザゴラ近郊の Rozov Kladenets(ロゾフ・クラデニェッツ? / Розов Кладенец)村の生まれ。五歳から歌い始め1947年にプロフディフで学生だったとき Zhecho Dolchinkov(ゼコ・ドルチンコフ? / Жечо Долчинков)に見いだされブルガリア国立ラジオに出演。1951年には300人が応募したフィリップ・クーテフ国立合唱団のコンクールで優勝し1965年まで在籍 *4 。1973年から1985年までブルガリア国立ラジオ・テレビの女声民謡アンサンブル *5  に参加しソロイストを務める。スイスの音楽学者/プロデューサーのマルセル・セリエ(Marcel Cellier)による録音がスイスで "Le Mystère des Voix Bulgares" としてリリースされたのが1975年、英 4AD レーベルがリイシューしたのが1986年。翌年リリースの Volume 2 が1989年グラミーを受賞。ソロアルバム二枚と Tinka Pesheva(ティンカ・ペシェワ? / Тинка Пешева)とのデュエットアルバムがある。2010年6月にはブルガリア政府から「最高の栄典」スタラ・プラニナ勲章一等級賞を授けられたが、その翌月死去した *6

„Притури се планината“ は1994年に新たなリミックス・バージョンがつくられヒットしていたらしい。当方はオリジナルの方が好きだ。


*1:そいや BABYMETAL「メギツネ」の PV も良かったな。ところどころカットインされる和室のシーンが、ぞわぞわ~っと来るくらい、貞子なみに怖かったりするともっとよかったんだけど。

*2:甲殻機動隊についてはなにも知らないのだが(苦笑)。

*3:ちょうど続編がやや(?)話題になってましたね残念ながら観に行ってませんが。

*4:フィリップ・クーテフ国立民謡舞踏アンサンブル(Националният ансамбъл за народни песни и танци „Филип Кутев“ / The National Ensemble for Folk Songs and Dances "Philip Kutev")は同年創設らしいので、設立オーデションを兼ねていたのかもしれない。なおブルガリアは1990年まで共産主義政権。

*5:1952年設立。こちらがのちの "Le Mystère des Voix Bulgares(The Mystery Of The Bulgarian Voices / ブルガリアン・ヴォイスの神秘)" 、通称ブルガリアン・ヴォイス。1997年に放送局からは独立したようである。

(The Mystery Of The Bulgarian Voices 公式サイト)

*6:以上 bTV の記事など Wikipedia 出典のリンク先などもつまんでいる。アンナ・トモワ=シントウやヴェッセリーナ・カサロヴァもスタラ・ザゴラ出身のようだ。こちらの „Сега“ 紙による長めのインタビュー(2006年)はリンク切れだったが移動先 URL を発見、翻訳を試み別エントリに投稿しようかともおもったのだが、ブルガリア語さっぱりで断念(ヘタレ)。

彼女の訃報を報じたブルガリアの放送局 bTV の映像がアップされていた。カナ転写はステフカ・サボティノワでよさそうですね。


中国の状況斜め読み:ネット時代の馬券販売と「グローバル化」その三.四

(その三.二(下記)の追記で中国について少し拾ってみていたのだが、長くなったのでこちらに移動し加筆)JAIRS の海外競馬情報では下記あたりか。やはり「至高の目標」(タタソールズ社エドモンド・マホニー会長)である。「至高」であるが、かつ「目標」*1

本土進出となるとああいう国なのでかなり痛い目に会ってるようだが(今やさほど有望な市場でもないのかもしれないが日本にすら「大して」入り込めないでいた)、そんなリスクなど何のその(?)、どちらさんもひと儲けしようとたいへんである。

「そしてもちろん、中国は"至高の目標"です」(ブラッドホース、2017年7月1日)「CHCの赤と黄色の勝負服を背負ったアベルタスマン(Abel Tasman)がケンタッキーオークス(G1)を制すなど、顕著な活躍を見せている。しかしCHCは依然として、中国本土で競馬のステータスを向上させるのに苦戦」(ブラッドホース、2017年8月17日)「中国が米国のサラブレッドに門戸を開放することを視野に、ケンタッキー州の農務当局者と競馬産業のリーダーは、中国と関係を構築しつつある」(ブラッドホース、2017年5月6日)「CHCは楽観的だが、中国政府は1940年代から続いている賭事禁止の措置を変更しようとする明白な意思を示していない」(ブラッドホース、2016年10月1日)「中国本土では現在、過去最多の350~500レースが運営されているようです」(レーシングポスト、2016年5月19日)「中国大陸には現在30競馬場があり、さらに建設されている」「HKJCは、中国大陸を拠点とする上位10人の馬主を特定しており、これらの馬主が合計で約1,200頭のサラブレッドを所有」(ブラッドホース、2016年1月28日)「チャイナホースクラブ(China Horse Club 2010年設立)は瞬く間に、クールモア牧場、ゴドルフィン、シャドウェル牧場(Shadwell)、カタールレーシング社(Qatar Racing)、アルシャカブレーシング社(Al Shaqab Racing)などの大馬主に名を連ね」「黙認競馬段階における多くの挫折にもかかわらず“競馬の黄金郷”と呼ばれる中国」(レーシングポスト、2015年10月29日)サラブレッド競馬を組織し始めるために行なった最近の試みはすべて無に帰した“悲しい歴史”」(ブラッドホース、2014年5月24日)下記はかなり古い記事だが(ブラッドホース、2011年10月17日)、北京のリスイ牧場(Lisui Farm)とはメジロアルダン、スリルショー、ゴールデンフェザントタイトスポットらを繋養していた(旧)北京龍頭牧場?。土壌が良くないようなことを何かで読んだ記憶があるが、空気の方は大丈夫なのであろうか(北京郊外ではあるだろうが)。

JRA もちびちび(?)対応中、

平成28年度事業報告別冊「JRAの事業活動について(平成 28 年)-JRAは、毎週走り続けます。-」(PDF

P. 22 に下記の記載がある(6.競馬の国際的な発展への取組み(4)アジアにおける競馬の発展への取組み ① 中国との関係)。

○ 中国本土の馬産業事情の調査を実施するとともに、中国の馬産業関係者等の日本招聘、日本の競馬関連技術者の派遣等による指導を実施

○ 馬産業関係者間の協力関係が進展した結果、中国本土への日本産馬の輸出が実現

ブラッドホースが報じているようにケンタッキー州もいろいろ取り組んでいたようだが *2 、「アジアにおける競馬の発展への取組み」には「招聘」までせねばならんのか。

先方には伝統ある香港競馬もある(とするとサラブレッドの生産関係の「招聘」か?)。「日本の競馬関連技術者の派遣」も香港ではなく「本土」であろうが、(競馬ではなく)「馬産業関係者」との交流ということで、「実現」した「日本産馬の輸出」も競走用あるいはその種牡牝馬とは限らない?。「競馬の」「国際的な発展への取組み」って報告盛ってるんぢゃないの、などと疑ってしまったのだが、中産階級の増加で乗馬人気が爆発とか農村部で農耕馬の需要が…などという話もまた聞いたことはない(笑)。

で、このあたりの情報についてもまったく疎かったのだが、上掲はじめ散々参照している JAIRS の一方の前身、(財)競馬国際交流協会が、2003年ごろから交流を進めていたらしい。下記は2010年の記事だが(競走馬のふるさと案内所「馬産地ニュース」)、

現在でも中国には在来種を中心に約700万頭の馬がおり、中国農政部の管理下に「中国純血馬登録管理委員会」が1999年に設立。日本から中国への馬の輸出は2000年から可能になり、今年3月には最初のステップとして51頭のサラブレッドが輸出されている。

とのことで、いろいろ困難もあるのだろうが事業報告が「実現」とするほどのことなのかはよくわからない。「最初のステップ」から六年越しの二番目のステップ、ということならそれなりのトピックかもしれないが *3 。いずれにせよ、現在に至っても、

閉塞感漂う国内の競馬関連産業に大きなビジネスチャンスを与えるものとして期待されている。

のだが(「至高の目標」あるいは「競馬の黄金郷」)、(「悲しい歴史」をかんがみて)じっと模様眺め中というところだろうか。で、上掲記事で講演を行なっていた競馬国際交流協会の小池尚明理事長(当時)が現在、会長を務めているのがこちら。代表の仙波リリ子氏は、中国人向けに日本の医療サービスを仲介する隆仁堂メディカルグループという会社の CEO でもあるようだ。とてもチェック仕切れないが、トップページ「(株)日中ビジネス企画からのお知らせ&中国馬産業情報トピックス」に多くの記事が掲載されている。

各記事に直接リンクできないのでブラウザで検索いただくしかないのだが、「成都―ドバイインタナショナルカップの続報(出典:環中馬術網 2017/4/4)」によれば、同開催は今年で四回目。5レースで賞金総合計は375万元。「2015年中国馬業総まとめ( 出典:大陸競馬網 2015/12/31)」の記事に「2015年中国馬業の10大ニュース:競馬は初めて馬術より大きな影響力を示す」などなど。

「中国馬業協会競馬委員会第2次会議は成功裏に開催(出典:中国馬業協会HP 2015/4/10)」では、初代中国馬主連盟会長の王衛東氏が、

中国の競馬産業はここ数年で大分成熟してきた。今は中国産のサラブレッドは海外産とは引けをとらないくらいまでレベルアップしてきたと思う。例えば、河北省のヒョウ志国氏所有「任我行」号、当社の「無敵」号などなど。[…]無敵だけではなく、当社の「東興小子」も、多くのレースで輸入馬を制して勝利を収めてきた。

と語っている。なお、中国の2013年 - 2015年のサラブレッド生産登録頭数は31、30、48頭 *4 、「中国は世界の馬産業が注目する元へ オーストラリアは4年後ゼロ関税に(出典:新浪スポーツ 2015/12/23)」によれば、本土への輸入馬については、それほど高馬は入って来ていないようでもある *5

中国国内においてNZのサラブレッドは大きなシェアを占めつつある背後には莱徳馬業の貢献が大きい[…]。

一方で、中国は900万頭の馬を保有する馬大国であるが、付加価値の高い馬が大変少ない現状である。税関統計によると、2012年中国は海外から競走馬を2000頭輸入しており、以来毎年15-20%の増加率を継続している。輸入馬の流入は国産馬にとっては大きな衝撃であることは間違いない。新疆のイリ馬を例でみると、およその相場は5-6万元/頭であるのに対して、立派な外見を持つ輸入馬を運賃込みでも10万元を超えないものも多い。2015年年初、莱徳馬業が仕入れたNZの馬は凡そこの価格範囲内にあった。このような大きな競争に晒された国産馬は今後どのような対策を講じるべきかは注目の元[ママ]である。

馬主連盟会長はああ言ってるが、将来「競馬くじ」が解禁され「競馬の黄金郷」が実現しちゃったりするやいなや、輸入馬について突然「内国産馬保護のため」とかで強力な規制をかけたりしたりするんぢゃないかとおもったり。また、中国の統計数字は…という話もあるが、2010年の700万頭(前掲「馬産地ニュース」)から200万頭増えてますね。

遊牧民のイリ馬は、別の記事によれば「ここ数年サラブレッド・豪州馬などを導入し」ているようでもある。<改良>されているということだろうが、(純血?)種の保護管理とかはどうなのであろう。

また、レーシングポストがたびたび取り上げ持ち上げている CHC あるいは張祖徳(Teo Ah Khing、テオ・アー・キン)氏(マレーシア籍の建築家らしい)は、中国本土では芳しくない評判もあるようだ。オーストラリアに玉龍牧場を所有する玉龍馬業(YuLong Investments)の張月勝(Zhang Yuesheng)氏(炭鉱や風力発電所を所有しているらしい)もしばしば登場、「初回「中国馬業界の英雄」公募活動結果が明らかに ネット投票221万票を超える(出典:第一競馬網 2017/4/17)」によれば山西玉龍投資集団理事長として「中国10大馬主」部門入り。

同記事には「中国トップ種馬」のリストや、「中国のトップ汗血馬」も二頭だが挙がっている。「汗血馬」の記事も多いのだが、「馬のネットオークション」についての別記事には「ニュージーランド産のサラブレッドが26万元で成約されたほか、ロシア産の汗血馬が211万元の値が付けられた」とあり、やはりアハルテケでしょうね。新疆野馬集団の董事長(理事長)、陳志峰氏は「世界で最も汗血馬の保有頭数の多い馬主」とある。賭け禁止の現状では、サラブレッド以上に人気?(ただし221万元は「成約」していない)。

紹介されてる記事の出典はいろいろだが、直前の記事も第一競馬「網」ということらしいので、どんなものかさらってみた。こちらですね(英語版)。あっと、タイムリー(?)にも、トップにあるニュースが下記である(2017年11月8日付)。

「中国市場アメリカ馬に開かれる—第一競馬網 USDA と中国 AQSIQ *6 との2年間の先行きに気を揉ませるハイレベル交渉を経て、アメリカ馬に中国市場ついに再開。」「再開」とある。第二次大戦前以来とかではないでしょうな。日本は「輸出」が可能になってから10年かかったりしている。そう言えばオーストラリアは香港で儲けてるが、本土の関税は2019年にゼロになるはずである *7

エアフォースワンが中国に向かう途上、米国から馬を輸入しようとする中国人オーナーの検疫要件の協定を結ぶことへの圧力がかかっていた。

トランプ大統領の訪中「28兆円商談」*8 に含まれておったのかー。

過去2年間で、中国のサラブレッド競争市場は有望な成長を示し、世界中の競り場で中国人オーナーの存在を知らしめるるとともに、本国に戻りレースインフラに多大な投資を行なっていた。馬術競技の成長も盛り上がり、中国全土に1,400以上の会員ベースの馬術クラブがある。

これは、馬術も盛り上がってましたか *9 。競馬の方も、ここさいきん特に成長しているということなんでしょう。

輸入プロトコルを導入することで、アメリカ馬は再び中国に歓迎される。馬貿易が全体的な米中関係にどのような影響を与えるかはまだ未確定だが[…]中国人は、真にビジネスを行なうためには友人でなければならないと信じている。すべての障壁が取り除かれた今、馬に対する我々の共通の情熱が、より深い文化的理解、相互の尊敬と繁栄を通じ、両国をどのように結びつけるのかを見てみよう。そして、中国が優れている卓球とは異なり、アメリカの馬産業には提供する多くのものがあるのだ。

(このスローガン的文章いろいろツッコミを入れたくなるのを抑えつつも)アメリカの馬産業は "a lot to bring to the table" なだけに、ということだろうが(優れている)卓球を持ち出すところはなんとも(苦笑)。

(続く)


*1:もともとは生産における存在感のハナシだったのだが、やはり爆買い系などのトピックが中心になってしまった。

*2:イギリス、アイルランドに後れを取っていたという。自由化のレベルなどあるのかもしれないが、後述のように日本も少なくとも2010年から「輸出」。ニュージーランドから莱徳馬業がチャーター便輸入したのは2012年。

*3:その前にメジロアルダンらは寄贈としても、2000年から輸出可能 → 2010年に最初のステップとして輸出って十年の空白があるのだが。関税500パーセントでスタートしたとか?。

*4:国際血統書委員会(ISBC)“INFORMATION BOOKLET 2016”(PDF

*5:当然ながら開催、賞金レベル相応ということだろう。

*6:United States Department of Agriculture’s (USDA’s) Animal and Plant Health Inspection Service (APHIS) :合衆国農務省(USDA)の動植物検疫所(APHIS)と Chinese Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine (AQSIQ) :中国品質監督検験検疫総局。

*7:前掲「中国は世界の馬産業が注目する元へ オーストラリアは4年後ゼロ関税に(出典:新浪スポーツ 2015/12/23)」。またニュージーランドについては、すでに関税ゼロのようである(2008年。どうも翻訳が?なのだが)。ニュージーランドから輸入を行なっている莱徳馬業については、「同社は2012年8月に初めてチャーター機でNZの馬を輸入し、現在まで合計8回、トータルで644頭を輸入」ともある。「中国の馬主がニュージーランドのセリでトップバイヤーに(出典:大陸競馬網 2015/11/19)」が中国人オーナーの爆買いを報じているが(売り上げ総額の22%)、このセリでトップバイヤーとなったのが同社である。Inner Mongolia Rider Horse Group(内モンゴル莱徳馬業集団)名義でモンゴリアンカーン Mongolian Khan (AUS)(父 Holy Roman Emperor (IRE) 、2015年コーフィールドカップ、オーストラリアダービー、ニュージーランドダービー)を走らせており、オーストラリア、ニュージーランドにおいて競走馬を走らせるオーナーとして大きな存在になっていることが伺える。

*8:一部で「28兆円商談」の内容は、実際にはけっこうショボいとも報じられていた。本件も各輸出国に後れを取っていただけな訳で。少なくともここでは「貿易不均衡は過去の米政権の責任」というのは正しい。

*9:「中国馬産業情報トピックス」の「データが語る中国の馬術産業(出典:第1競馬網 2016/3/16)」では「全国における馬術クラブは823社」としている。「愛好者は13万人」「中国の膨大な人口に対して13万人は過少と言わざるをえまい」。

 

ルプーのシューベルト:ピアノ・ソナタ第19番ハ短調 D. 958 のライヴ

若いころはシューベルトシューマン、ことにブラームスがニガ手だった。濃厚なロマンチシズムにそれを表現しつくす機能的和声。トリッキーで、ある種破綻のある音楽の方に惹かれたりするんですな(なんというかそれもわかりやすいトリッキーさだったんですが)。

が、年食うと気にならなくなるんですなぁロマンが足りんのか(笑)。秋も深まってまいりますとシューベルトですよ皆さま。ブラームスはどうした?、まぁよいではないですか(笑)。

キズも目立つし弾き飛ばすというとオーバーですが、少々一本調子に聴こえてしまうきらいもあるのか。が、しかししかし「千人にひとりのリリシスト」とはまこと良く言ったもので、むしろこの「単調さ」こそルプーの美点だとおもう次第。一楽章第一主題、初っぱなから指定を無視して、フレーズの終わりを引き伸ばすのも好き。

多くの弾き手が細心の注意を払ってあれこれ考えて音にしているのを、だだだーっと弾いて——我ながらバカっぽい表現だ(笑)、要するに細部に拘泥しない、それにルプーだって考えて弾いてるに決まってるんですが——軽く飛び越えてしまう感がある。前のめりに弾くのとは違う独特の疾走感が生まれるんですな。この魅力は替え難い。正規録音もありますが見つからないので来日ライヴで(まぁアレなんですが)。

リヒテルでは重くおどろおどろしく、デモーニッシュな面が強調されます。いろいろ言われたりするが繊細な音色というかタッチの変化も見事。すごい。四楽章の迫力もさすがであります。

RaceBets.com:ネット時代の馬券販売と「グローバル化」その三・三/ IFHA パリ会議のセッションのことなど

やはり JRA の海外サイマルキャスト売り上げは注目なのだろう(下記参照)。ブックあたりが報じてるのだろうが、10月2日第51回 IFHA(国際競馬統括機関連盟)年次総会で「国際戦略:地域市場からグローバル市場への移行(INTERNATIONAL STRATEGY: Transitioning from a local to a global market)」 と題するパネルディスカッションが開かれ、JRA 後藤理事長がパネリストとして「日本のサイマルキャスティング(海外レースへの賭けのための JRA サイマルキャストの開発)(Japanese simulcasting (The development of JRA simulcast for betting on the overseas races ))」と題した講演を行なった模様(約15分)。JRA の位置付けや法整備のはなしなどから説き具体的なノウハウについてはあまり言及が無かったような。出席者にどの程度参考になったのかといえば?な気がするのだが広報にはなったでしょうね。

「第51回国際会議(2017年)」(51st International Conference (2017)

「第51回 IFHA 会議パワーポイント・プレゼンテーション - パート3 」
(51st IFHA Conference PowerPoint Presentations–Part 3)「 IFHA 2017 - オープン・フォーラム - セッション3 - YouTube後藤氏の次に登場したドイツ・トート( German Tote Service- und Beteiligungs GmbH )に出資もしている PMU(フランス場外馬券発売公社)は手広くやってますな。2016年は競馬への全ての賭けのうち既に「輸出」が12%、「輸入」で9%を占めていると(上掲パワポ、スライド38)。なにか下記の数字と内訳が合わない気がするが、PMU については RaceBets.com の方でちょっと触れる(予定)。しかし YouTube ひと月経って再生 115 回と少ない。業界関係者以外で観に行くヤツもそんな居ないか(苦笑)。

なお総会では、ブレグジットの影響についてのセッションも開かれた模様。1960年代からのイギリス、アイルランド、フランスのヨーロッパ競馬三大国による三国協定(TPA)が消えれば、その他の国々も多大な影響を被るというサラブレッドと乗用馬に関しての「痛い話題」。馬の自由な移動も制限されるという訳だ。三国は新たな「システム」を構築する必要があると。


その三で RaceBets が2010年にマルタに移転したことに触れた。話題がそれたり当方が浦島なこともあってなかなか進まないのだが

関連して、その二年後、2012年にレーシングポストが以下のような記事を掲載していた模様なので、こちらにもちょっと寄り道。一連のエントリでお世話になっているジャパン・スタッドブック・インターナショナル:JAIRS 「海外競馬ニュース」より。

今さら五年前のハナシではあるが、いろいろとツッコミどころというか考えさせられる内容ではあった。

 ヤコブス氏は、最近制定された法案により、課税を避けるために海外拠点を巧みに利用していたブックメーカーからの収入が増加することを望んでいる。

 しかし、ドイツのパリミューチュエル賭事を通じた賭事を促進するいかなる努力も、場外馬券売り場がドイツ全土で約50ヵ所しかなくインターネット賭事も制限されているために、妨げられている。

「インターネット賭事も制限」されとるんですな(五年前だが)。が、「制限」があるのはまぁ当たり前なのでとくべつな「制限」かとも想像するが、この記事ではそこいら辺の詳細は報じられていない。ドイツのギャンブル事情についてもまったく不案内かつ例えばサッカーくじが主催者側にどの程度の収益をもたらしているのかも存じぬが、そちらの「制限」とはどう違うのであろうか。そういえばヨーロッパでサッカーに次ぐ人気と伝え聞く自転車ロードレースへの賭けはどうなのであろう。こちらも古いのだが、次の記事によればドイツは、「欧州最大の賭事市場の1つとなりうる」なのだそうである。

「場外の少なさ」もどうか。規模はともかく、JRA の WINS だってそんなもんだろう(こちらで数えたら43だった)。

で、RaceBets も、ベッターテインメント社の100パーセント子会社として「海外拠点を巧みに利用」するのに用いられたというところか。その三で触れた通り「同年に」となっていたが、「課税を避けるため」マルタに移転したところをそうはいかんとばかりに German Racing が出資したことも考えられるが、40%とはいえ出資後みすみす移転させてたりしたとすると結構マヌケである。利益相反するがトータルで得と見たか。「バーデンバーデン競馬場の復興の立役者」ヤコブス氏は、「最近制定された法案」で、こうしたブックメーカーからの収入増に期待する。ところがその三か月後(ここでの「新しい法律」というのがヤコブス氏が期待していた法案とは限らないが)、2012年11月8日付けの記事が下記なのである。

(続く)

2018年英国ダービーのアンティポストとドキュメンタリー『グローバルインパクト:日本のサラブレッドの台頭』:ネット時代の馬券販売と「グローバル化」その三・二

本題になかなか戻らないのだが、またまた寄り道。サクソンウォリアー Saxon Warrior (JPN) がレーシングポストトロフィーもぶっこ抜いて RaceBets の英国ダービー2018オッズは9対1から5対1となり単独一番人気。少し差のある3着に敗れたザペンタゴン The Pentagon (IRE) が9対1から11対1となったが二番手キープ。以下前回同様のリンク。「ダービー・ベッティングオッズ | 競馬」(オッズチェッカー)(上記のアーカイブ(archive.is) ※ ブックメーカー名が飛んでいる)archive.is: The Derby Betting Odds | Horse Racing | Oddschecker

で、そこらへんの動画見ていて出てきたのが下記の「ドキュメンタリー」(52分11秒)。この一連のエントリに相応しいタイトルではないか。そしてタイトルからも想像されるように、サクソンウォリアーにも大いに関連のあるフィルムなのだった。

『グローバルインパクト:日本のサラブレッドの台頭』

アップしてるのはアローフィールドスタッド(Arrowfield Stud)、ということでここでピンと来る方も多いのだろうが、当方はなんだっけと。途中で再生止めてチャンネル・ページ見に行くとリンク先に www.arrowfield.com.au とある。ドット au 、あー、オーストラリア。ホーリックス(はニュージーランドだが)やベタールースンアップの JC や、後者のトレーナー出て来てたな。クリックしてみるとドドーンと

"REAL IMPACT"

の文字。なるほどシャトル繋養先で。デインヒルやラストタイクーンの名門牧場、ホームページも気合入ってますね。なるほど、なるほど「日本の台頭」≒ 社台の台頭とはいうものの、ずいぶん「ヨシダ・ブラザーズ」フィーチャーしてるなとは思ったんですわ。こりぁ製作全面協力ですな合作だとしてもおかしくない。以前、社台スタリオンステーションからフジキセキクロフネフレンチデピュティなどが繋養されたが、2007年の馬インフルの影響で途絶えていたのがここへ来ての復活ということらしい。2017-18シーズンはモーリス、ミッキーアイルも繋養したということで、要するに日本のシャトル種牡馬の CF ですな。それでも近年の日本競馬の紹介フィルムとして悪くないんぢゃなかろうか。「ハイテク」が強調されたりする。ノーザンテーストと猫の写真も初めて見た(笑)。エンドロールには Sky Racing Production 2017 / In Association with Arrowfield Stud のクレジット。Sky Racing というのはオーストラリアの競馬やドッグレース専門の放送局らしく、いくつかチャンネルがあるようだが、最初に戻るとタイトルバックに "Sky Thoroughbred Central" とある。海外レースなどを放送するチャンネルのようで、ここで放映されたプログラムだったのだろう。

フィルムでジャパンカップ創設が契機となったといったことを合田氏が語っているが(たぶん(苦笑)*1 、当時は絶望的な雰囲気も漂ってましたなぁ英国ダービーの一番人気を送り出すことになるなど思いもよらぬことでござった。なにかの座談会を憶えておるのだが、今年亡くなった山野浩一氏はけっこう楽観的で、開放を進めてレースにステータスを与えれば日本の生産馬にも海外から買い手が付くようになる、なるべき等発言すると、なにを世迷言を的な雰囲気になった。白井透氏などからは、いやいや日本の土壌は火山灰質で強い馬などつくれない、解放などとんでもない、といったようなやり取りが交わされてたように記憶している *2

ここで生産の「グローバル化」についてまで話を広げるのは手に余るが、JC 創設に始まる「改革・解放路線」が、バブル経済にオグリ・ブームなどにも後押しされ推進されていく。1997年に JRA の売り上げは4兆円を超えてピークを迎え、シーキングザパールタイキシャトルが活躍したのが1998年。すでにバブル経済は崩壊していた。構造改革ブーム。生産頭数は減り続け、「日本のサラブレッドの台頭」の陰で「零細」生産者のみならず、多くの名門牧場も姿を消して行った。起死回生を掛けたラムタラの失敗などもあった。社台グループへの寡占がますます進んで行く。現在の競走馬の生産頭数は1972年レベルである *3 。こうした側面をこのフィルムが伝えるはずもないが、競馬というスポーツの世界が、「グローバルな」競争に晒されていくのはやむを得ない趨勢だったろう *4

「日本の台頭」も、逆に日本の経済規模に近いポジションを遅まきながら(火山灰質のせいかは知らぬが)&経済的地位は低下し続けているものの、得つつあるといったところではないか。中国の存在感てどうなのかしらん *5

(続く)


*1:そのだいぶ以前から世界に通用する「強い馬づくり」という標語があったくらいで、JC を契機とするのも細かいこと言えば少々違うのだが、実際結果を目の当たりにして絶大な「インパクト」があったのは事実だ。ちなみに第一回にダービー馬は出走してないし、勝ったメアジードーツは GII ウイナーだった筈よね。

*2:山野氏は左翼的な思想の持ち主だったとおもうがこと競馬については一貫して新自由主義的態度でしたな。左翼思想と新自由主義の親和性云々は別にして、なにごともバランスのもんだいということでもある。

*3:年次別生産頭数」(生産関連統計:日本軽種馬協会)。ピークは1992年。

*4:というかそれでも世界的に見れば高賞金にも支えられ恵まれた環境にあるということなのだろう。日本の生産界の「構造変化」についてはいろいろと研究もあるのだろうが未読、機会があれば読んでみたい。

*5:追記:やはり、「至高の目標」(タタソールズ社会長エドモンド・マホニー氏)である。下記参照。 


RaceBets.com:ネット時代の馬券販売と「グローバル化」その三・一 +2018年英国ダービーのアンティポスト

(競走馬関係については、たまに当方のかなり特殊な基準でチェックしたりしてはいたのだが *1 、ここ何年ものあいだ競馬に関する情報にはまったく疎い。i - 競馬(?)もだいぶ進展しているのでありましょう。以下周知のような気もするのだが、「その三」RaceBets.com 続き)本家のホームページにツイッターのリンクがあったので試しに行ってみると、ジャパンカップに関するツイートが開いた。

一瞬へーっとおもって再生などしたのだが(府中のようすはともかく引き過ぎでなんだかよく分からない) Ito?、2015年でした。前回触れた同社広告サイトには

日本の競馬に賭けることは出来ますか?

RaceBetsでは、40カ国からの競馬レースを取り扱っており、日本馬が参戦する多くの重賞レースもカバーしております。世界中のレースはRaceBetsで!

なにか質問に噛み合わない回答が掲載されているのだが、「日本の競馬」も販売しておるようである。日本で買うと法的にどうなのか?だが、後述の通り JRA のオッズ(セパレートプール)なので買っても配当的メリット・デメリットはない。

と、ここまでで既にけっこう長くなった。本題の方も長くなりそうで、いったん本題?を離れる。というか、こんかい本題に入る前に脇道に逸れて終わる(笑)。

上記 RaceBets も、エプソムダービー2018のアンティポストを受け付けている。

現時点でサクソンウォリアー Saxon Warrior (JPN)(父ディープインパクト、母メイビ―  Maybe (IRE)、母の父 Galileo (IRE) )が、ザペンタゴン The Pentagon (IRE)(父 Galileo (IRE) 、母 Vadawina (IRE) 、母の父 Unfuwain (USA) )と9対1の横並びで一番人気なんですな。オッズチェッカーのオッズ一覧へのリンクも貼っておく。ことしも凱旋門賞は遠かったが、いっぽうでこれはこれで感慨深い。

サクソンウォリアー母はモイグレアスタッドステークス(G1)の勝ち馬とな。ディープインパクトガリレオというのはけっこう相性良かったのではなかったか。ザ五角形の方はインブリードが目に付きますがアンフワインはとうぜん好きな種牡馬だった(笑)。

ガリレオとハイクレア Highclere (GB) などが共通する。いずれもオブライエン厩舎。「ダービー・ベッティングオッズ | 競馬」(オッズチェッカー)(上記のアーカイブ(archive.is) ※ ブックメーカー名が飛んでいる)archive.is: The Derby Betting Odds | Horse Racing | Oddschecker

というか RaceBets 同率四番人気までの五頭はすべて同一厩舎、同一馬主だった。べたなネーミング(テシオ風?)のアメデオモディリアーニ Amedeo Modigliani (IRE) (15対1)とグスタフクリムト Gustav Klimt (IRE)(17対1)もガリレオ産駒、ネルソン Nelson (IRE)(17対1)の父もガリレオ産駒のフランケル Frankel (GB) 。馬主は、想像が付く方も多いのだろうデリック・スミス氏、ジョン・マグナー夫人、マイケル・テイバー氏のトリオ。オブライエン師の娘マグナー夫人あるいはクールモア総帥の夫のマグナー氏(マンUの元大株主)はモジリアニが好きなんだろう。リンク先で S. Magnier 名義の Modigliani (USA)(父 Danzig (USA) 、テトラークステークス)が出てきた。


*1:下記参照(苦笑)。

 

RaceBets.com:ネット時代の馬券販売と「グローバル化」その三

ことしの凱旋門賞も残念な結果だったが、当方会員でないので無関係ながら、JRAのサイマルキャスト投票は日本馬が人気を集める筈で、エネイブルに行った方はおいしい馬券だったのだろう、とおもったのだがセパレートプールの現地 PMU の配当より低いのだった(単勝)。下記に PMU へのリンクもある。
国内の大レースに比べればコアなファンしか手を出さないということかもしれないが、今回は一番人気での決着/低配当ということもある。現時点ではまだサンプルが少ないが、ここまでの傾向もどなたかしらべて指摘してるんでしょう。


さて、GaloppOnline.de や Turf-Times.de のレース記事には「ビデオを見る(リンクは外部です)」があり、クリックすると RaceBets.com というブックメーカーのサイトへ誘導される。

そんなんで(というのは下記参照)、

こちらの、ドイツと思しき(後述のとおり現在は違った)オンライン・ブックメーカーは、どのようなしくみのベットを提供しているのか。ちょっと覗いてみた。珍しくもないのかもしれないが、よく見ると日本語に対応している。

日本語の広告サイトも存在していた。ミナリク騎手やシールゲン調教師が推薦。「利用者の声」は、いずれも2014年10月、レース提供実績も2014年のデータということで翌2015年あたりに開設されていたか。いかにもオンライン広告といったふうで正直微妙なのだが(更新もされてなさそう)、「40カ国からの競馬レースを取り扱って」いると。ふむ。だがしかし、ここではそれより何より、

RaceBetsは、1826年に発足したドイツ競馬協会を主要株主とした、ドイツで最大の競馬専門ブックメーカーです。

なぬ?。

RACEBETS.COM - すべての競馬はここにある!

Racebetsは、オンラインギャンブル業界において最も信用されているブランドのひとつで、ドイツで最も長い歴史を持つスポーツ団体、ドイツ競馬協会(1826年設立)によって所有されています。

RaceBetsは、2005年に聡明で志をもった三人の若者によって、デュッセルドルフで創業しました。2007年には、ドイツで最大のブックメーカーとなり、2010年にドイツ競馬協会が主要株主となりました。

これは、RaceBetsの利益は、ヨーロッパの競馬業界に再投資されることを意味します。

RaceBetsは、EUの法律に基づき、ヨーロッパで最も信頼のあるマルタロッタリー&ゲーミングオーソリティ(LGA)によって規定を定めております。

GamCare Lotteries and Gaming Authority Malta Gambling Commission

本家のサイトに戻って「当社について」を確認。「ドイツで最大の競馬専門ブックメーカー」なのだが、英語版 "About Us" が詳しい。まぁこのエントリのタイトルのとおりのようなことで、そういうことなんだろう。同様の記載があった。

前回も苦言を呈したが(当方の読解力はともかく)、なんだよ NDR 、といったところなのだが、話はそう単純ではなかった(売り上げを海外のオンライン・ブックメーカーに持っていかれたと報じていたが、「同[2010]年ドイツからヨーロッパの主要なオンライン・ゲーム拠点であるマルタに移りました」ともある)。

イギリスのオンライン・ギャンブル/ゲーム業界向けのウェブ・マガジン(らしい)、『iGamingビジネス』の2016年12月8日付けの記事。

「Betsson、RaceBets 買収により競馬サービスを強化 | iGamingビジネス」
3,400万ユーロ(3,660万ドル)から4,000万ユーロで取得と。ふーむ。German Racing は手を引いていたのか。100%取得とは書かれていないが、部分的ならそう書きますわな。当の German Racing のサイトで検索してみると、前日7日のニュースにこの件が掲載されていたのであった。

「RaceBets インターナショナル Ltd 、新しい株主とともに - GERMAN RACING」

RaceBets インターナショナルは Bettertainment GmbH[ベッターテインメント]の100%子会社で、後者に(Direktoriums für Vollblutzucht und Rennen、DVR[サラブレッド生産および競走管理委員会]が設立した German Racing こと DG Deutsche Galopprennsport Beteiligungs GmbH & Co. KG[DG ドイツ競馬持株会社]が出資している)DVR Wettbetriebs GmbH[DVR ベットオペレーション]が約40%出資していた、ということらしい。先の広告サイトに2010年にドイツ競馬協会が主要株主うんぬんとあったが、2010年の投資は4倍の収益をあげたということになるそうである。

よくある、替わりに Betsson に出資といったことも報じられてはいない模様。いずれにせよ RaceBets への German Racing の関与はなくなったようだ。上記 RaceBets の「当社について」や広告サイトは言及していないのだが。

という訳で、例によってひと周りして元に戻つてしまつた(苦笑)。長くなったので元の RaceBets の賭けのしくみについては別に。(続く)