dancept2の日記

あやしうこそものぐるほしけれ

ジョアン・ジルベルト

「ヴォーカルはギターに楔のように打ち込まれなければならない」*1

ジョアンの来日公演は三回とも一度ずつ観ている。大きな会場、ステージにジョアンがひとり、ぽつねんと椅子に座る。あの「声とギター」、いま思うに何かまぼろしのような。

平日仕事で開演に三十分ぐらいだったか間に合わないときがあったのだが、会場に着くと(東京フォーラム)やはりまだ開演していない。やがて場内アナウンス、「オーティストは、ただいまホテルを出たところで…会場に向かっています…」(云々)——宿は会場から近いことも想像できたが——場内ブーイングどころか爆笑となった。

途中、当方も寝てしまったのかとおもったものだがそうではなかったらしい。上掲は名盤モントルーの映像。(とうぜんジョアンはモントルーと比べていたわけでは無いだろうが)たしかに会場の雰囲気はえらく違っていた。アンコールに入って鳴りやまぬ拍手にギターを抱え俯むいて微動だにしない。やがてスタッフがステージに現れ肩を叩くと顔をあげ頷くが、鳴りやまぬ拍手にふたたび俯むき拍手に聴き入るジョアン。伝説の(?)フリーズ事件にも居合わせたのでありました。

ありがとうジョアン、R.I.P.


*1:だったかな、出典も忘れてしまい…(とほほ)。